医薬品関連

簡単な薬事法概要

はじめに

医薬品の通信販売の規制に関する情報ページを設けました。私がこれらのページを作成した理由としては、2008年9月に厚生労働省より提示された薬事法改正に関する省令案について、さまざまな見地から私は反対であるという意見を明記するとともに皆さんにも現実に起こっており状況に関して理解をと思い作っています。とはいうものの、はじめから専門的なことや法律などもありますので、医薬品、薬事法、制度などについての基本的な情報から説明したいと思います。現在では薬事法は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称:医薬品医療機器等法)と変更となっています。

医薬品と薬事法

皆さんは医薬品といえばドラックストアや薬局に並んでいるどなたでも簡単に購入ができる薬であることはご存知かと思いますが、主に医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品のことです。これらの医薬品は薬事法という法律によって定義され、大衆薬、市販薬、OTC医薬品(Over The Counter Drug、OTC薬)、家庭用医薬品などとも呼ばれています。

薬事法とは?

薬事法(やくじほう:昭和35年(1960年)8月10日法律145号)は、日本国における医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器に関する運用などを定めた法律です。この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、医療上特にその必要性が高い医療品及び医療機器の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的としています。また、販売方法などに関しては「対面販売の原則」という限られた方法によって行われることが原則として決められています。そして、2009年に新たに改正された薬事法が施行されました。

※主な改正点は下記の通りです。

  1. 登録販売者資格の新設。
  2. 一般用医薬品はリスクの程度によって第一類、第二類、第三類に分けられることになりました。
  3. 省令案では医薬品の通信販売は第三類医薬品のみ、かつ在庫をしているものに限りとして第二類および第一類の郵送などによる通信販売の原則禁止

医薬品とは?

・医薬品はまず日本の薬事法第2条で次のように主に定義されています。

  1. 日本薬局方に収められている物
  2. 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、機械器具、歯科材料、医療用品及び衛生用品でないもの(医薬部外品を除く)
  3. 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって機械器具、歯科材料、医療用品及び衛生用品でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く)

・医薬品はリスクによって主に第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品に分けられます。

  1. 第一類医薬品:主にその副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうち、特に注意が必要なものや、新規の医薬品。後述するスイッチOTCやダイレクトOTCが該当する。販売できるのは薬剤師の常駐する店舗販売業や薬局のみです。薬剤師が手渡しし、商品内容や利用法について文書で購入者に説明する義務があります。
  2. 第二類医薬品:第一類医薬品以外で、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品。今日大半を占める一般用医薬品がこの第二類であり、薬剤師又は登録販売者が常駐する店舗のみで販売でき、極力購入者へ内容、成分、その他注意事項の簡明な説明が求められる(努力義務)。また、第二類医薬品の中で特に厚生労働省大臣が指定する成分は指定第二類医薬品となり、陳列および販売方法なども規制の対象になります。
  3. 第三類医薬品:上記以外の一般用医薬品。医薬品であることには変わりなく、販売にあっては第二類医薬品と同様の規制を受けるが、購入者から直接希望がない限りは、商品説明に際して法的制限を受けません。また、通信販売が可能とされる予定です。

新たにできた資格「登録販売者」。

登録販売者は一般用医薬品の第二類医薬品まで販売をすることができる改正薬事法によってできた新たに資格です。6年制度による薬剤師不足および雇用確保のためにできた資格ともいわれ、登録販売者になるためには1年の実務経験(中卒の場合においては4年の実務経験)などの条件があり、都道府県が実施する試験合格することが条件です。実務経験に関してはもともと長い期間(3年程度)という案で出されましたが、パブリックコメントで1年という意見が圧倒したということで1年の実務経験に短縮された経歴があると噂されています。また、この登録販売者資格を取得することにより、第二類医薬品及び第三類医薬品を販売することが出来ます。私が今回取得した資格というのがこの登録販売者です。

セルフメディケーション

セルフ・メディケーションの本来の目的は、自分の健康は自分で守ろうとすること。病気や薬について正しい知識を持って市販薬を活用し、積極的に健康管理に関わろうと意識することは、自分自身の健康づくりにもつながります。それによって、軽い病気ならその症状を自分で改善し、生活習慣病の予防や健康維持にも役立てることができるのです。また、生活者によって選択され、専門家によって正しい情報提供や安全対策などが行われるのが通常です。

提示されていた省令案

省令案は医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会による報告書(PDF)を参考に決定されています。

主な内容としては以下の通りです。

  1. 販売に関しては、薬事法にて対面販売が原則であるために薬剤師および登録販売者が店頭にて販売を行うことが望ましい。
  2. インターネットやカタログによる通信販売は第三類医薬品のみで在庫を持った状態で行わなければならない。
  3. その他陳列方法の指定や提示の義務、制度に関する修正などが含まれています。※詳しく見たい方は薬事法施行規則等の一部を改正する省令案について(PDF)をご覧ください。

問題になっていた経緯について。

今回問題になっている部分においては、主に有識者による審議会の結論(医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会報告書)から2008年9月に厚生労働省が発表した省令案において通信販売の全面的禁止に関する案が出されました。また、この問題に関しては規制改革会議において医薬品のインターネット通信販売に関する項目として再度積極的な議論がされています。
特に医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会による報告書(PDF)および薬事法施行規則等の一部を改正する省令案について(PDF)を読まれておくとよいと思います。

・薬事法に関する請願書(半論文)
私が一応考えた提案をPDFにて公開してみました。
医薬品の販売に関する請願書(PDF)